A)クイックスタート
Redshift のテクスチャキャッシュとは?
レンダリング時、Redshift はテクスチャ(JPG、PNG、EXR)を最適化された .tx ファイルに変換し、コンピュータ上のフォルダに保存します。
この「テクスチャキャッシュ」により、同じテクスチャを使用した 2 回目以降のレンダリングは、初回よりも高速に開始されます。
Redshift テクスチャキャッシュの管理方法は 2 種類あります
ワークフロー 1:デフォルト(自動)— Redshift にすべて任せる方法
通常どおりマテリアルにテクスチャを割り当てます
Redshift がバックグラウンドで自動変換します
追加設定は不要です
学習中の方や単独作業に推奨されます
ワークフロー 2:手動変換 — .tx ファイルを自分で管理する方法
専用ツールを使用して手動で変換します
.txファイルの保存場所を管理できますレンダーファームやチーム制作向けです
詳細は後述の「手動
.txファイル事前変換」を参照してください
よく調整される設定項目
キャッシュフォルダの場所
システムドライブが遅い場合は、より高速なドライブに移動できます。
Cinema 4D では以下から確認できます。
手順 1:環境設定を開く
環境設定内で
レンダラー → Redshift → Cache
を開くと、「Cache Folder Path」が表示されます(CACHE セクション内)。
Texture Cache Max GB(0 = 無制限)
デフォルト:32 GB
キャッシュ容量が上限に達すると、古いプロジェクトで使用された
.txファイルが自動的に削除されます
“Copy Pre-Converted Textures to Cache Folder”
(Render Settings → Sampling)
手動で
.txを管理したい上級ユーザー向けの設定です動作の詳細は後述のワークフロー説明を参照してください
B)基本概念
Redshift キャッシュ機能の仕組み
Redshift は JPG、PNG、EXR を直接レンダリングしません。
すべてのテクスチャは、必ず .tx 形式に変換されます。
.tx は GPU レンダリング向けに最適化された形式で、大容量テクスチャでも効率的にストリーミングでき、VRAM の消費を抑えられます。
キャッシュは、この .tx を保存し、毎回の再変換を防ぐための仕組みです。
初回レンダリング:変換が行われる
2 回目以降:保存済み
.txを再利用
ワークフロー 1:デフォルト(自動)
レンダリング時、以下の流れで処理されます。
テクスチャ割り当てを検出
マテリアルがbrick_wall.jpgを参照キャッシュを確認
「brick_wall.txは存在するか?」-
判定:
存在する → そのまま使用
存在しない →
brick_wall.jpgを.txに変換して保存
.txを使用してレンダリング
GPU は常に.txのみを参照します
重要
元の JPG / PNG / EXR ファイルは変更されません。
Redshift は読み取りのみ行い、別途 .tx を生成します。
自動ワークフローと手動ワークフローの使い分け
自動(デフォルト)
Redshift がすべて自動管理
変換はレンダリング準備時に実行
キャッシュ容量超過時は自動クリーンアップ
推奨シーン:
Redshift 学習中
個人制作
テクスチャを頻繁に差し替える
最小限の設定で使いたい
手動(上級)
TextureProcessor で事前変換
.txをテクスチャと同じ場所に保存変換タイミングを完全に制御
自動コピーを無効化
推奨シーン:
レンダーファーム
チーム制作
大規模プロジェクト
ネットワークレンダリング
違いの要点:
自動は「設定不要」、手動は「完全制御」。
C)参考:キャッシュ設定とパラメータ
主なパラメータ
Cache Folder Path(Edit → Preferences → Redshift → Cache)
内容: .tx ファイルを保存するフォルダ
デフォルト:C:\Users\[YourName]\AppData\Local\Redshift\Cache
注意:
環境変数 REDSHIFT_CACHEPATH が設定されている場合、この設定は無視されます。
Texture Cache Max GB
内容: キャッシュの最大容量
デフォルト: 32 GB
挙動: 上限超過時、未使用の古い .tx を削除
重要:
現在のシーンで必要な容量は制限されません。
“Copy Pre-Converted Textures to Cache Folder”
ON: .tx をキャッシュにコピーして使用
OFF: 元の場所の .tx を直接使用
D)トラブルシューティング & 高度な問題
クイックトラブルシューティングチェックリスト
テクスチャが白っぽい/暗い/正しく表示されない
→ 同じ.jpgを異なるカラースペースで使用していないか(D2)
→ TextureProcessor 実行時のカラースペース指定が誤っていないか(D5)テクスチャが黒くなる/表示されない
→ マテリアルが削除済みの.txを参照していないか(D2)レンダリング結果が古いテクスチャのまま
→ キャッシュ内の.txを削除したか(D2)キャッシュフォルダ設定が反映されない
→ 環境変数の確認(D1)macOS でキャッシュ関連エラーが出る
→ redshift フォルダ削除後に再起動(D1)ファームレンダリングで結果が不一致
→ 同名.txが複数存在していないか(D3)
→ ネットワーク同期に問題がないか(D3)
以下では、想定される問題とその解決方法を詳細に説明します。
挙動が想定と異なる場合は、まず本セクションから確認してください。
D1 - キャッシュ設定が機能しない
キャッシュフォルダの設定が無視される
症状:
環境設定でキャッシュフォルダを変更しても、Redshift が別の場所を使用し続ける。
原因:
システムに REDSHIFT_CACHEPATH という環境変数が設定されている。
環境変数は Cinema 4D の設定よりも優先されます。
対処方法:REDSHIFT_CACHEPATH を削除または修正し、Cinema 4D を再起動してください。
使用中の実際のキャッシュパスは Redshift ログで確認できます。
https://support.maxon.net/hc/en-us/articles/6772618851485-Step-by-Step-Finding-Your-Redshift-Log-File
“Failed to create cache path”(macOS)
症状:
Redshift がキャッシュフォルダを作成できないというエラーが表示される。
対処方法:
以下のパスに書き込み権限があるか確認してください。
/Users/[username]/Library/Application Support/Redshift/解決しない場合:
Cinema 4D を終了し、以下のフォルダを丸ごと削除します。/Users/[username]/redshift/
その後 Cinema 4D を再起動してください。
Redshift が自動的にフォルダを再作成します。
注意:
この操作によりキャッシュはすべて削除されます。
次回の初回レンダリングは変換処理のため遅くなります。
D2 - テクスチャ表示がおかしい
同じテクスチャを 2 回使うと見た目が異なる
症状:wood.jpg を Diffuse(sRGB)と Bump(Linear)の両方に使用すると、どちらかが白っぽくなる、または不正に見える。
原因:
Redshift は 1 つの元画像につき 1 つの .tx ファイル しか作成しません。
最初に使用された際のカラースペースが .tx に固定されます。
その後、別のカラースペースで同じ画像を使っても、既存の .tx が再利用されます。
対処方法:
画像を複製し、用途ごとに名前を分けてください。
例:wood.jpg → wood_bump.jpg
その後、古い .tx をキャッシュから削除し、再レンダリングします。
予防策:
必ず用途別に命名してください。wood_diffuse.jpgwood_bump.jpgwood_roughness.jpg
テクスチャが黒い/表示されない
症状:
マテリアルが brick.tx を直接参照しているが、そのファイルが削除または移動されている。
原因:
Redshift は .tx が見つからない場合、自動で .jpg にフォールバックしません。
対処方法:
方法 1:マテリアルの参照先を
brick.jpgに戻す方法 2:TextureProcessor を使って
.txを再生成する
.jpg を更新してもレンダリング結果が変わらない
症状:fabric.jpg を編集したが、レンダリング結果は以前のまま。
原因:
キャッシュ内に古い fabric.tx が残っている。
Redshift は .jpg の更新を自動検知しません。
対処方法:
キャッシュフォルダ内の fabric.tx を削除し、再レンダリングしてください。
更新された .jpg から再変換されます。
事前変換した .tx のカラースペースが誤っている
症状:
TextureProcessor 実行時の -cs 指定が誤っており、
Diffuse が暗い、Roughness が白っぽいなどの問題が出る。
対処方法:
該当する .tx を削除し、正しい指定で再変換してください。
カラー用(sRGB):
redshiftTextureProcessor.exe wood_diffuse.jpg -cs "sRGB"データ用(Linear):
redshiftTextureProcessor.exe wood_roughness.jpg -cs "Linear"
redshiftTextureProcessor.exe wood_bump.jpg -cs "Linear"目安:
写真のように見えるものは sRGB、
数値データとして使うものは Linear。
D3 - レンダーファーム関連の問題
同名テクスチャが複数存在し、誤った結果になる
症状:
異なるフォルダに metal.tx が存在し、ローカルでは問題ないが、ファームで結果が異なる。
原因:
パスリマッピングにより、意図しない .tx が読み込まれている。
対処方法:
用途別に必ず一意の名前を使用してください。metal_color.txmetal_bump.txmetal_roughness.tx
ファームでテクスチャがちらつく/壊れる
症状:.tx を共有ネットワークドライブ(例:Z:\Assets\Textures\)に置いている。
同期完了前にレンダリングが開始され、不完全な .tx が読み込まれる。
対処方法:
小規模案件の場合:
.txを右クリックし、ファイルサイズが 0 バイトでないか確認テキストエディタで即座に開けるか確認(ロックされていないか)
大規模案件/チーム制作の場合:
ファーム管理者または TD と連携し、
レンダー開始前に.tx同期完了を保証するフローを構築してください。多くのレンダーマネージャには事前チェック機能があります。
D4 - キャッシュのクリーンアップ
クリーンアップが推奨されるケース
✅ ディスク容量が不足している
✅ キャッシュ破損によるレンダリング不具合
✅ 更新後の .jpg から強制再生成したい
✅ GPU ハードウェアを変更した後
クリーンアップすべきでないケース
❌ 納期直前(初回レンダリングが遅くなる)
❌ レンダリング中
❌ キャッシュ内に手動管理の .tx が混在している場合
安全なクリーンアップ手順
キャッシュ内に手動で配置した
.txがないか確認Cinema 4D を終了
キャッシュフォルダの中身のみ削除(フォルダ自体は削除しない)
Cinema 4D を再起動
初回レンダリングは再変換のため遅くなります
キャッシュフォルダの場所
Windows:
C:\Users\[YourName]\AppData\Local\Redshift\Cache\macOS:
/Users/[username]/Library/Application Support/Redshift/TextureCache/Linux:
~/.redshift/cache/
D5 - TextureProcessor 使用時の注意点
カラースペース指定ミス
問題: sRGB と Linear の指定を誤った
対処: .tx を削除し、正しい指定で再変換
ファイル名が一致していない
問題:brick_wall.jpg に対して brick_wall_diffuse.tx を作成した
対処:.tx は必ず元ファイルと同じベース名にしてください。brick_wall.jpg → brick_wall.tx
.tx をキャッシュフォルダに置いている
問題:C:\Users\...\Redshift\Cache\ に手動で .tx を保存した
対処:
即座にプロジェクトのテクスチャフォルダへ移動してください。
キャッシュフォルダは自動管理専用です。
バッチ変換時にカラースペース未指定
問題:*.jpg をそのまま変換し、結果がおかしくなった
対処:
用途別に分けて変換してください。
カラー:
*_diffuse.jpg -cs "sRGB"データ:
*_roughness.jpg -cs "Linear"
拡張子が違うがベース名が同じ
問題:brick.jpg と brick.exr が同一フォルダに存在する
原因:
どちらも brick.tx を生成し、後者が前者を上書きします。
例:
brick_color.jpg → brick.tx
brick_displacement.exr → brick.tx(上書き)対処:
拡張子に関係なく、必ずベース名を一意にしてください。
D6 - パフォーマンスに関する問題
初回レンダリングが非常に遅い
症状:
レンダリング開始前の「Preparing Scene」に長時間かかる。
原因:
テクスチャの .tx 変換が初回にまとめて行われているため。
よくある挙動:
Preparing Scene が長い
CPU 使用率が高くなる
2 回目以降は高速になる
対処:
これは自動ワークフローでは正常な挙動です。
完全に回避したい場合:
Workflow 2(手動変換)を使用し、事前に TextureProcessor で全テクスチャを変換してください。
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