本記事では、Cinema 4Dで「cryptomatte AOV」と「Team Render」を併用する際によく発生する問題と、その解決方法についてご紹介します。
Cinema 4Dで「AOV」を使うと、ほかのAOVと同じように動くと思いがちですが、実はそうならないことがあります。特に「Team Render」を使うと、その違いがはっきり出ます。
Cinema 4Dの「AOV」パネルにある「マルチパス(Multi-pass)」と「直接(Direct)」という2つのチェックボックスの違いを理解することが非常に重要です。

「直接出力」についての簡単な説明:
「Redshift」では、「AOV」を出力する方法が2種類があります:
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Cinema 4Dの標準的な「マルチパス」ワークフロー
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「Redshift」独自の「直接」パス
「AOV」に「マルチパス」のチェックが入っている場合(多くのパスはデフォルトで有効)、それはCinema 4Dのマルチパス設定を使用しているとのとこです。(この設定が有効であり、適切なパスが指定されているかどうかをご確認ください)

一方、「直接」を有効にした場合は、「Redshift」独自の保存方法が使用されます。
「cryptomatte」パスは、デフォルトで「直接」として設定されています。
「直接」の大きなメリットは、各「AOV」ごとに個別の保存パスを設定することが可能です。ただし、「マルチパス」ではできません。
両方のチェックをオンにすると、「マルチパス」と「直接」の両方で保存されます。

例:
下記の例では、Windowsデバイスで共有可能なフォルダを作成し、「Wドライブ」としてマウントしました。


問題点
「マルチパス」であれば問題ありません。しかし「cryptomatte」のように「直接」が必要な場合、「相対パス」では不十分です。
上記のように、あるデバイスでは共有フォルダが「Wドライブ」としてマウントされていても、別のマシンではそのパスが存在しないため、以下のスクリーンショットのように、「cryptomatte AOV」のうち1フレームしか保存されない問題が発生します:

そのため、「絶対パス」を使用する必要があります。
エクスプローラーで以下のようにフルパスをご確認いただけます:

上記画像のように、エクスプローラーで以下のようにフルパスをご確認いただけます:
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「A」:共有されているデバイス名
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「B」:ドライブレター
Cinema 4D内で、このドライブレターをマシン名を含むパスに変更することで、「cryptomatte(直接のAOVパス)」が両方のマシンで正常に保存されます。
つまり、以下のようなパス:

を、、以下のように変更します↓

これで「絶対パス」が使用され、「RS Cryptomatte AOV」と「Team Render」を併用する際に、すべてのフレーム(本例では2フレーム)が正しく保存されるようになります。
正しく機能する理由としては、「AOV」パネルの右側に表示される「直接」パスが、現在「絶対パス」として解釈されているためです。
デフォルトの「直接」パス構成
「Redshift」では、以下の3つの変数で保存パスが構成されています: ($filepath, $filename, $pass):

$filepath
レンダー設定の「Save」タブにある「マルチパス」のパス

$filename
Redshiftレンダー設定」の「AOV」タブ内で設定されたファイル名

$pass
「AOV」パネル内で指定されたAOV名

macOS や Linux をご利用の場合は、右側のリンクを参考していただき、それぞれのシステムにおける「絶対パス」の形式をご確認ください:What is the difference between a relative and absolute path?
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